医療フォーラム

2011年2月 1日 (火)

一昨日、松下政経塾同期の高橋塾生の卒塾フォーラムに出席しました。
彼は入塾前は脳神経内科の医師でした。
日本の医療体制の崩壊を前に、一勤務医としての限界を感じ、入塾を決意しました。

フォーラムのタイトルは、「日本の医療 これから30年」。
第一部の基調講演は、京都西陣の地で、地域医療に60年間携わってきた早川一光先生をゲストに、味わい深いお話をお聞きすることができました。

「医者をつくるのは大学だが、医師を育てるのは地域や住民の力なんです。」

「病気は医者や看護師が治すのではなく、自分が治すものです。私はそれをサポートするだけ」

という早川先生の言葉が心に残りました。これからの地域医療を考える際の大きなヒントになると思います。

さらに、高橋塾生の発表では、今の「高負担低信頼」の医療福祉体制に対し、「低負担高信頼」というスタイルを模索するべきだという部分に共感。
彼は最後に、16世紀のフランスの外科医アンブロワーズ・パレの有名な言葉を紹介してくれました。

「時に治し、しばしば痛みを和らげ、そして常に癒し、望むべくは予防する」

そして、ここに戻る30年にしたいと。私も共感いたしました。

第二部のパネルディスカッションは、医療関係者のゲスト3名が出演。
その中に、筑波大学で地域医療教育学を教えられている阪本直人先生がいらっしゃいました。初めてお目にかかり、興味深いお話を沢山お伺いすることができました。

茨城県は、県民10万人に対する医師数が150人と、全国平均の220人に比べ低く、ワースト2位。そんな中、地域の医師の定着・定住化のためにはどうするべきかを模索されています。

医療過疎が進む茨城県神栖市。ここに学生を派遣し、住民と学生を交えた「健康教室」を行うなどして、住民目線や、住民の健康問題を肌で知る取組みを されています。泊まりこみ合宿を行うことで、いい意味で地域の印象が変わる学生さんも多く、「6年間知らなかった神栖市」が、いつのまにか「ほっとけない 神栖市」に変わったという人も。

来年度、茨城県は医師確保(確保というこの言い方も私は好きではないのですが)など「地域医療の充実」を重点課題としていますが、やはり、もっと医師のニーズや意識を知る必要があると思います。

阪本先生が地域医療実習のロールモデルとしている、ある地域病院の方がこうおっしゃっていたそうです。

「こんな田舎の病院に、これだけの医師が集まり、病院が成り立っているのは、唯一教育に力を注いできたからです」

保健福祉委員会のメンバーとして、示唆に富んだお話を伺え、あらためて、この問題にしっかり取り組んでいきたいと思いました。

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